一念発起して「トライアスロンにでるぞ!」と決心しても、実際に行動に移す段階でいろいろな疑問や不安が出てきます。
「何から手をつけたらよいかわからない・・・」
「大会はいつどこで開催されているの?どうやって申し込むの?」
「練習ってどうやるの?道具は?」
「レースで失敗しないか不安」
「本当に自分に完走できるかしら・・・」
このような疑問や不安の原因のほとんどは単純に「知らない」からです。必要な知識が頭に入っていれば悩んで行動できなかったり必要以上に不安になることもなくなります。
そこでこの記事ではトライアスロンに参加すると決めてから完走するまでを実際の流れに沿って詳しく解説しました。これさえ読めばトライアスロンを完走するためにやるべきことが全てわかる、というぐらい情報を詰め込んでいます。
是非、トライアスロンデビューを考えている方はじっくり読み込んでみてください。完走までの道筋が明確になると思います!
トライアスロン完走までの大まかな流れ
まず、初めてトライアスロンを完走するまでの大まかな流れを紹介します。
- 機材・練習環境を整える(半年〜1年前)
- 出場したい大会を決める(4〜6ヶ月前)
- トレーニング計画を立てる(3〜6ヶ月前)
- 大会に申し込む(2〜4ヶ月前)
- 宿泊施設や交通手段を手配する(2〜4ヶ月前)
- トレーニングを頑張る(3〜6ヶ月)
- 大会に向けた準備(補給食など)をする(1ヶ月前〜)
- 会場へ移動&受付
- 大会本番
- 片付け&ケア
2、3、4、5は状況によって前後する場合もあります。
デビューまでにかかる時間は個人差が大きいので一概にはいえませんが、ここでは全く運動ゼロの方を基準にして説明していきます。その場合、最低でも半年以上前から準備する必要があると考えておいてください。
すでにランニングやロードバイクなど何らかの持久系のスポーツの経験がある場合はもっと少ない期間で完走までいけると思います。
では、これから順を追って説明していきます!
1.機材・練習環境を整える
まずは機材や練習環境を揃えないとはじまりません。
- 水着・ゴーグル・スイムキャップ
- バイク&最低限のバイク用品一式
- ランシューズ
あとはスポーツクラブかスイミングクラブの会員になる、もしくはトライアスロンスクールに入ることでしょう。
最低限どんあものが必要かは「トライアスロン必要経費と節約のコツ」で詳しく紹介しているのであとで読んでみてください。
機材・環境が整ったら下記のレベルを目指して練習を始めましょう。
- スイム 100m以上泳げるようになる
- バイク 1時間以上乗れるようになる
- ラン 30分以上走れるようになる
運動したことがない方はこのレベルを見て「こんなの無理!」と思うかも知れませんが大丈夫です。健康な人ならこれぐらいのレベルの運動は必ずできるようになります。
この段階では計画的なトレーニングよりも、とにかく体を動かすことに慣れるのが大切です。今まで眠っていた体を起こすつもりでゆっくりマイペースで取り組みましょう。
全種目ともコーチや経験者にフォーム指導してもらうのが理想です。特にスイムは泳げないならスイミングスクールに通ってください。我流より絶対に上達が早いです。
上記のレベルになるまでの時間は人それぞれです。全種目未経験だったり、10年以上運動ゼロとかダイエットが必要という方は2〜6ヶ月かけてじっくりカラダを作っていくことになるでしょう。この段階で無理をするとケガをしたり変なクセが付いたりするので焦らずコツコツやるのがポイントです。
このレベルまで体ができてきたら、レースに向けて本格的な練習に取り組む準備ができたといえます。大会を探し始めましょう!
2.出場したい大会を決める
大会はどうやって調べる?
まずはどこでどんな大会があるか調べる必要があります。国内で開催される大会情報を掲載しているサイトは次の3つが代表的です。
- Triathlon LUMINAのトライアスロン・レースガイド
トライアスロン雑誌の大会ガイドです。国内のほぼ全ての大会をカバーしています。大会の特徴を記号で表示してくれていてわかりやすいです。 - TRI-X レースカレンダー
大会のタイム計測を行っている会社が運営しています。大会の要項だけでなくリザルトも掲載されていますが、掲載されていない大会もちらほらあります。。 - Triathlon Style
この3つの中では一番新しいサイト。大会レポートが豊富で大会の雰囲気を知りたい場合によいです。
この3つのサイトで国内の大会は漏れなく探すことができます。
ただ、これらのサイトは基本的には要項が書いてあるだで検索機能もあまり高くありません。そのあたりを改善できないかということで、トライナビでも大会データベース(レースナビ)を制作しました。データの登録が滞りがちですが、大会をいろいろな条件で絞り込んだり、会場までの交通ルートや宿泊施設の検索もできるようになっています。是非こちらもご利用ください。
出たい大会を選ぶポイント
現在、国内では約100大会開催されておりシーズンは4〜10月で特に6、7、9月に大会が集中しています。何か思い入れがある大会があればそれを目指してもらえばよいですが、基本的に難易度、開催地、開催時期の3つをチェックして自分に合った大会を選びましょう。
難易度について
トライアスロンのレースの難易度というのは距離・コース内容・制限時間の3つが関係してきます。
まず距離ですが、当然長い距離より短い距離の方が難易度は低いです。ですので、初レースはスプリントまたはショートの大会がオススメです。
次にコースの難易度。バイクなら登り下りが多かったりコーナーが多いコースは体力や技術が必要で難易度が高いといえます。ランも上り下りが多いコースは難易度が高いといえるでしょう。
例えば下の図は上五島トライアスロンの各コースの標高図です。登りと下りが多いコースであることが分かりますよね。やったことが無い方にとっては「だから何?」と思うかも知れませんが、平地とアップダウンでは疲労度が全く違います。バイクやランが得意でないならこういうコースは避けた方が無難です。
スイムの場合は海>川>湖>プールの順で難易度が下がると考えましょう。川は流れが心配かも知れませんが、流れが急な川を泳ぐ大会はまずないので波のある海より泳ぎやすいです。スイムに自信が無い方はプールが一番オススメです。
最後は制限時間ですね。一般的にはスイム、バイク、ランそれぞれに制限時間が設けられており、時間内にその種目を終えられなければ失格になります。
極端な話、バイクとランの実力が実業団レベルでもスイムがタイムオーバーなら失格です。だから3種目バランス良く鍛える必要があるわけですね。
ただし、初心者向けの大会では最終ゴールにしか制限時間を設定していないとこもあり、スイムがダメでもバイクやランで挽回して完走する、といったレース展開が可能になります。
以上まとめると、一番難易度が低い組み合わせは次のようになります。
- 距離はスプリント〜ショート
- スイムはプール
- バイクは平坦でコーナーが少ないコース
- ランは平坦なコース
- 制限時間が長めか、種目毎の制限時間がない
全てに当てはまる大会はそうないと思いますが、自分の苦手種目の難易度が低くなる大会を選ぶと完走の確率が上がります。
開催地について
初レースで不安が大きい場合は、近場で開催される大会がオススメです。移動も楽ですし、宿泊などレース以外の面で考えることが減り大会に集中できますからね。
一方で、体力に自信があったり頼れる仲間と一緒に行けるなら、遠くの大会でもよいと思います。南の島などロケーションのよいところでのレースはやっぱり楽しいですからね。
開催時期について
トラアスロンはコースだけでなく気象条件によっても難易度が変わります。真夏は暑さが厳しいので初レースでは避けた方が無難で、気候的には6月と9月後半以降に開催される大会がおすすめです。5月や10月の大会は気象条件によっては寒くて大変な場合があります。
また、大会までどれぐらい時間があるかも大切。練習期間として最低でも2〜3ヶ月は欲しいですからね。
早め早めに行動を!
2000年頃は、抽選で落ちたり定員が埋まる大会は一部の人気大会だけでした。しかしここ数年はそういう大会が増えており、エントリー開始1日で定員が埋まる大会もあります。ですので出場したい大会があればエントリー開始すぐに申し込んだほうがよいです。
申込時期の目安としては、4〜6月の大会に出場したいなら年末〜年明け、7月以降の大会でも3〜4月頃には大会サイトで申込日を確認しておきましょう。
3.トレーニング計画を立てる
出場大会が決まるとそこから逆算してトレーニング計画を立てます。初めての人は「そんなこと必要なの?」と思うかも知れませんが、やるとやらないで全然違います。
計画を立てずに適当に練習すると好きな種目しかやらなかったり、練習しているつもりなのに全然速くならない・・・という状況に陥りやすくなります。
一方、計画を立てると適切な時期に適切な負荷をかけられるので効率よくトレーニングを進めることができます。
ここでは計画の立て方と例を簡単に紹介します。
ステップ1:期分けする
まず、大会開催日から逆算して次のように4期に分けます。そうすることで大会までに何をすればよいか見通しがよくなります。
運動経験ゼロレベルからスタートの場合、強化期は必要ありません。調整も1週間でよいでしょう。基礎期でしっかり有酸素運動能力を養うだけでOKです。
準備期は「機材・練習環境を整える」で紹介した最低限の能力を養う期間だと考えてください。3週間というのは経験者がオフシーズンから活動を始める場合を想定しています。
水泳が泳げなかったりバイクに乗ったことがないというように、ゼロからスタートする種目がある場合は数ヶ月単位で考える必要があるかもしれません。
まとめると、最低限の体力とスキルがあれば、8週間の練習+調整1週=9週間あれば完走が狙える体を作ることができます。
ステップ2:4週サイクルで整理する
期分けができたらさらに細かく分けて行きます。ここではよく使われる4週サイクルを例として挙げます。基礎期8週間、準備期1週間を4種サイクルで整理すると下図になります。
1週目から週毎にトレーニング量・強度を増やしていき、4週目は回復週として質・量とも減らします。そして次の4週は、前のサイクルの1週目より少し量・強度を上げた状態からスタートして同じように変化させていきます。そして最後に調整週を入れてコンディションを整えて大会本番となります。このように徐々に体を作っていくと無理がありません。
4週目で練習量を減らすと「せっかく練習したのにもったいない」と思う方がいるかもしれません。しかし、その考え方は間違いで体力は休んでいる時につきます。
3週間しっかり体に負荷をかけ、4週目で十分に回復することで次の4週はよりレベルの高い練習ができる体になります。逆に休まずに頑張り続けると疲労によるケガ・やる気喪失といった問題につながっていきます。
20代前半ぐらいまでは回復力も強いので回復週を挟まなくても伸びていくと思いますが、30代以降は如何に疲労を抜くかが重要になってきます。休むこともトレーニングの一部と考えるようにしてください。
また、このサイクルは4週がベストというわけではなく、回復力によっては3週がよい場合もあります。このあたりは個人差が大きいので実際にやってみて判断するしかないですが、まずは4週サイクルで取り組んでみましょう。
このレベルではフォームの習得や30分〜1時間体を動かし続ける事に慣れることが大切なので、期分けやサイクルにこだわる必要はありません。苦手種目を中心に低強度で運動することを継続していけばよいでしょう。ただし、疲労感を感じたら休むことは忘れずに。
ステップ3:1週間の内容を決める
サイクルが決まると次は1週間にとれる練習時間とその分配を考えます。初心者で体力に自信がない方は1日1時間以内の練習、休息日を週1回で十分でしょう。また、1日に1種目やるだけでよいです。
そうすると、例えば次の表のようなスケジュールとなります。
3週目と7週目の日曜日はブリックトレーニングなのでバイクが終わった後すぐに続けてランをやります。レース本番にそなえた実戦的な練習になります。
あと、海や川(オープンウォーターと呼びます)で泳ぐ大会に出る場合、1〜2回は海で泳ぐ練習を取り入れてください。プールとオープンウォーターでは感覚が全然違います。そういう練習ができるのは大抵は休日になると思うので、金曜と土曜の内容を入れ替えて対応すればよいです。
スイム&バイク、バイク&ランというように1回の練習で2〜3種目続けてやることをブリックトレーニングと呼びます。
一度レースを経験すればわかるのですが、種目が切り替わった直後には独特のしんどさがあります。それに慣れるためにブリックトレーニングは重要な練習になります。
週末の時間があるときに毎回できれば理想ですが、体力に余裕がなければ一番ハードにやる3週目にだけ取り入れるでよいと思います。
ステップ4:1日の練習内容は?
最後は1日の練習内容ですが、まず練習の目的を3つに分けて考えるとよいです。
- スキルを高める練習(ドリル系)
- 持久力を高める練習(LSDなどゆっくり長く系)
- パワー・筋力を高める練習(インターバルなどキツイ系)
この3つの目的に合う練習法を組み合わせてメニューを作っていきます。ちなみに完走目的の初心者であれば1年ぐらいは1と2に集中すれば十分です。
典型的な1回の練習パターンはどの種目でも次のような流れになります。
- ウォーミングアップ(5〜10分)
- 動き作りのドリル→スキルを磨く(5〜10分)
- 本練習(ペース走、インターバル、etc)
- クールダウン(5〜10分)
本練習の内容を練習の目的に応じて変えます。練習時間が短時間しかとれない場合は、アップとドリルを合わせて行うかドリルを省くことになります。クールダウンはケガ防止や疲労回復に重要なので必ず行いましょう。
タイムマネジメントが重要
以上で、ざっくりトレーニング計画の立て方を説明しましたが、いかがでしょう?
「なんだか面倒くさそう」
「こんなことまでする必要あるの?」
と思うかもしれませんね(苦笑)
しかし、実際に計画を立ててみると多くの方はあることに気づくと思います。
「時間がない・・・」
学生の部活ではありませんから、仕事や家庭のことなどやることはたくさんあります。その中で必要な練習時間を確保するのは思っている以上に大変。
行き当たりばったりで練習するのでは、忙しさに流されてサボりがちになり、練習量が足らなくなる可能性がとても高いです。
少し大げさですが、トレーニング計画を立てるということは自分のライフスタイルを見直すことに近いです。
そう言われると「やったほうがよいかな?」と思えてきませんか?出場する大会が決まったら騙されたと思って(笑)計画してみてください。
トレーニングに関する本
トライアスロンに特化したトレーニングの本は少ないです。その中でここで紹介した考え方は次の2冊の本を参考にしています。
初心者には宮塚英也選手の「8週間で誰でもトライアスリートになれる」が内容が具体的でオススメです。
ランナーズ
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本格的にトレーニングを学びたい場合は、トライアスロントレーニングバイブルがイチオシです。まさにバイブルと呼ぶにふさわしい内容とボリュームです。
OVERLANDER株式会社
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ただ、この本は現在(2017年11月時点)Amazonだと古本のみ販売されており、2万円近い値段になってます(泣)。絶版になったのか改訂版を準備しているのかどちらなのでしょうね?
ちなみに英語版でもよければ最新版が3000円ぐらいで売っています。
Velopress
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4.大会に申し込む
大会が決まったら早速エントリー・・・としたいところですが事前に用意しておくものがいくつかあります。申込をスムーズに終わらせるためにも事前に用意してきましょう。
申込前に用意しておくこと
JTU登録
JTUというのは日本トライアスロン連合のことで、日本国内のトライアスロン統括団体です。大学生以上は年会費3,300円(2017年)で会員になることができ、上の写真のような会員証をもらえます。
会員証は年度毎に色が変わり、ペラペラの紙で非常に安っぽいです(苦笑)。会員特典としては次のようなものがあります。
- 年に1回会報誌が届く
- コナミスポーツクラブを法人会員価格で利用
- NASスポーツクラブの入会金などの割引
正直なところあまり魅力的な特典ではありませんが(苦笑)、JTU登録会員でないと参加できない大会も多く、そうでない大会でも参加費が割高になる場合があります。これからトライアスロンを趣味として続けていくつもりなら登録しておいた方がよいでしょう。
今はオンライン申込ならすぐに会員番号を発行してくれますが、大会を申し込むときに慌てないように早めに登録することをオススメします。
登録方法ですが、JTUに直接申し込むのではなく、住んでいる地域のトライアスロン協会(都道府県別にある)に申し込む事になります。ネット申込と郵便振込が選べますが急ぐならネット申込の方が早いです。
詳しくはJTU公式サイトのJTU登録手続きのページをチェックしてください(登録ページは年度毎にURLが変わるのでリンクは貼っていません)
過去の大会記録・目標タイムなど
エントリーの際には、過去の大会成績や予想タイムを申告しなければならないことが多いです。初参加の場合は過去の成績は不要ですが予想タイム(水泳のタイムだけ聞かれる場合も)は何か書かなければなりません。
すでにトレーニングを始めているなら自分のスイムやランのペースが分かると思います。それを元にタイムを計算すればよいでしょう。もしわからなければ「ペース・タイムの目安」を見てざっくり計算してみてください。
また、ゴールタイム・ペース計算機を使うと予想タイムを簡単に計算できます。
それから何回か大会に参加するようになると大会成績を書くことも多くなります。毎回それを探すのは面倒なので、自分のリザルト(レース結果)はどこかにまとめておくと楽です。
診断書
昔は負荷心電図による診断書の提出を義務づけている大会が多くありました。しかし現在は簡素化され誓約書にサインするだけで、診断書を要求されることはほぼ無いと思います。
とはいえ、一応ここに注意喚起の意味を込めて挙げておきました。というのもトライアスロンの大会では毎年死亡事故が数件発生しているからです。
アメリカのデータですがトライアスロン中の死亡事故について分析した結果、下記のような結論が出されています。
これらの結果から著者らは、トライアスロン競技中の死亡や心停止はまれではなく、中高年から高齢の男性に多い。突然死が多いのは水泳区間の競技中で、予期せぬ死亡例の解剖では心血管疾患が多く見つかったと結論している。
トライアスロン中の死亡と心停止例を分析:日経メディカル
過度に怖がる必要は無いですが、診断書の提出の有無にかかわらず健康診断は定期的に受けておくことやレース前日の過ごし方など健康管理には気をつけましょう。
その他
たまに自己PRや大会への意気込みを書く欄があったりします。書かなくても問題はないですが、モチベーションを上げたり大会に参加する目的・目標を再確認する意味でも事前に考えておくとよいかもしれません。
申込方法
大会のエントリーはネット申込または郵送があります。最近ではふるさと納税枠を設けている大会もあるので興味がある人は調べてみてください。
ネット申込はMSPOまたはローソンエントリーを利用する大会がほとんどで、クレジットカードで参加費を支払うことができます。
郵送で申し込む場合は申込書を取り寄せるか公式サイトからダウンロードします。支払も銀行振込になります。郵送とネット両方の申込方法がある場合、郵送の方が締め切り日が早いことが多いので要注意。
申込終了後、抽選や選考がある場合は結果待ちとなります。結果が出るまで気になると思いますが、参加できること前提でトレーニングに集中しましょう。また、ダメだったときに代わりに出場する大会も選んでおくと落選しても気持ちを切らさずに頑張れます。
5.宿泊施設や交通手段を手配
宿泊施設探しは出来るだけ早く!
大会に申し込んだらそれとほぼ同時に宿泊施設を手配します。のんびり後から探そうと考えていると
「あれ?会場から近い宿が全部満室になってる」
「高級ホテルしか空いてない・・・」
ということになるので可能な限り早く手配することをすすめます。
ただ、会場周辺の宿やホテルを大会と提携したツアー会社がとりまとめて、個人では予約できない場合もあります。そういう場合はそれを利用することになりますが、それが嫌なら会場から離れた宿泊施設を探すという選択肢もあります。
もう毎年出場すると決めている大会の場合、帰るときにその宿で来年の予約をしていく方もいます。いわゆる常連というやつですね。全ての宿がそれに対応してくれるかは分かりませんが、気に入って毎年出たいという大会と良い宿に巡り会えれば言ってみる価値はあると思いますよ。
宿泊施設の選ぶポイント
ズバリ、宿泊施設を選ぶポイントはスタート地点からの距離です。
スタート前の朝は時間がなく忙しいことが多いです。ですので宿がスタート地点に近い方が何かと便利。まずはスタート地点に近いところから探すようにしましょう。レースナビを使うとスタート地点周辺の宿泊施設やスタート地点までの距離を調べることができるので参考にしてみてください。
部屋の装備としては冷蔵庫があったほうが絶対によいです。あとはトイレや洗面所も共同ではない方が落ち着いていろいろできます。ただ、部屋の設備がよいほど値段も高くなる傾向があるのでそのあたりは予算との相談になりますね。
宿泊施設を自分で探す場合は、楽天トラベルやじゃらん、ヤフートラベル、エクスペディア、トリバゴといった旅行サイトでまず探してみましょう。ポイントが使えたり安いプランを探すことができます。
ただし、会場が観光地でない場合は上記のサイトに登録されている宿泊施設がほとんど無い場合もあります。そういう場合はGoogleで「地域名 宿」といったキーワードで検索すると色々でてきます。
交通手段の手配
航空機を使う場合は大会ツアーを利用するか自分で手配するかに分かれます。大会ツアーがない場合や少しでも安く済ませたい場合は自分で探すことになります。
航空会社を一つ一つ探すのは面倒なので航空券の料金比較サイトで探すのが簡単です。航空券の比較サイトとしてはトラベルコ、スカイチケットなどがあります。
航空券も早い者勝ちなので、基本的には大会申込と同時に手配しましょう。ただし、航空券の予約開始日より大会申込の方が早い場合はそれまで待つ必要があります。
あと、現地でレンタカーを借りる場合も早めに申し込んでおきましょう。バイクを運ぶ必要が無いなら普通の乗用車でOKです。
バイクの運搬方法
会場まで電車や飛行機を使う場合、一番手軽なのは輪行(バイクを荷物として一緒に持っていく)です。下図ような布製の輪行バッグに分解して入れで運びます。
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輪行は手軽ですが正直しんどいです。さらに飛行機の場合は追加料金もとられるので、国内の大会なら宅配便で現地に送る方がいろいろな意味で楽です。普通の荷物として送ると値段が高くなりますが、バイク専用便を使うとリーズナブルに運ぶことができます。
また、輪行でも配送でもバイクを入れるケースを用意する必要があります。バイクをできるだけ分解せずに運びたい場合はシーコンのような大きなバイクケースが必要です。これはペダルと前後輪を外すだけでバイクが入るので梱包が非常に楽です。
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ただし、最近は配送の規定がいろいろ厳しくなっており、大きなケースや布の輪行バッグで送ることが難しい or 高額になってしまうケースが増えています。
ですので、ケースを買う前に配送サービスを調べて送れるかどうか、費用はどのぐらいになるのかを調べた方がよいです。
分解組み立てが苦でなければ、自転車屋さんで余っているダンボールをもらってきてそれに入れれば一番安く済みます。その辺りはバイクを買ったショップで相談するとよいでしょう。また、ダンボールタイプのバイクケースも安く購入することができます。このタイプのケースだと運べなくて困る確率は減ります。
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代表的なバイク専用便としてはシクロエクスプレスやサイクリングヤマト便、カンガルー自転車イベント便・自転車輸送便といったサービスがありますが、シクロエクスプレスやカンガルー便では先ほど紹介したバイクポーターのような専用の梱包箱を数千円で販売しています。バイクケースの購入を検討しているなら、そちらも一度確認することをお勧めします。
車で運ぶ場合は車内に積むかバイクキャリアを付けるかになりますが、可能なかぎり車内をオススメします。外に積むとバイクが傷む確率が上がりますからね。
キャリアにする場合は天井に付けるタイプと後ろに付けるタイプの2種類あります。
上の写真のように天井に乗せるタイプは、背の高い車だと乗せるのがやや大変です。また、人は高さ方向への注意力が低いのでバイクがあることを忘れて駐車場など高さ制限のあるところに進むと・・・大変なことになるので注意が必要です。
後ろに付けるタイプはバイクが車体から少しはみ出るので幅を気にする必要があります。しかし、ミラーを見ればバイクの様子が分かりますし、積み卸しも楽です。燃費の面で有利だといわれています。
私は両方使ったことがありますが、利便性と安心感から後に付けるキャリアの方をオススメします。
6.トレーニングを頑張る
大会のエントリーや遠征の手配が終わったら、あとは計画にしたがってトレーニングを頑張りましょう。行動あるのみです。
初心者は練習すればするほど能力が上がっていく時期なので、自分の成長を感じながら楽しくトレーニングできると思います。練習内容も持久力を養うための低負荷・長時間の内容が中心で限界まで追い込んでゼェハァいうようなことをする必要はありません。
そう思うとだいぶ気が楽なのではないでしょうか?
ただ、限界まで追い込む必要はないとはいえ、押さえておくべきポイントはあります。それを簡潔に表したのがルーの法則です。
ドイツの生物学者ルーが提唱した法則で簡単に書くと次のようになる。
「身体(筋肉)の機能は適度に使うと発達し、使わなければ萎縮(退化)し、過度に使えば障害を起こす」
この中で特に“適度に”というのがミソで少なすぎてもキツすぎてもダメだと言うことです。真剣に取り組む人の多くはどちかというと“過度”になりがちです。
休息している時に体力がつくということをくれぐれも忘れないでください。やり過ぎるより不足気味の方がベターです。
この法則をもう少し具体的・体系的にしたものがトレーニングの三大原理や五大原則になります。
- 過負荷(オーバーロード)の原理
- 可逆性の原理
- 特異性の原理
- 全面性の原則
- 個別性の原則
- 漸進性の原則
- 反復性の原則
- 意識性の原則
詳しくは別の記事でそのうち説明したいと思いますが、こういったルールを頭に入れて日々のトレーニングに励んでください。
7.大会に向けた準備
大会が近づくとトレーニング以外にも大会に向けて準備することがでてきます。直前になって慌てないように早め早めの準備を心がけましょう。
ウェットスーツの購入
練習が進んでトライアスリート体型になってきたらウェットスーツを購入しましょう。ウェットスーツは大きすぎても小さすぎても泳ぎにくくなるのでサイズ選びは大切です。できるだけレース時の体型に近いことが理想ですが、レース前に何度か着て泳ぎたいので大会の2週間前には手に入れておきたいです。
S,M,Lといった既製サイズの場合は在庫さえあればすぐ手に入りますが、オーダーメイドで作る場合は1〜2ヶ月はみておきましょう。特にシーズン中は納期が長くなりがちなので注意が必要です。
補給食や本番で使うウェア・シューズ・ホイールなどのテスト
補給食はスプリントだと不要ですが、ショートでもゴールまでに3時間以上かかる予定なら用意した方がよいでしょう。その場合、必ず練習でも食べて体調が悪くならないか、味や補給方法は問題ないかといった点をチェックしておきます。
同様に本番で使うウェアやシューズ、ホイールなども最低1回は練習で使って問題点(靴ずれしないか、締め付けがキツすぎないかなど)をチェックしましょう。
問題があればワセリンを塗る、別物にする、ショップでメンテナンスしてもらうなどの対策を実施します。
レース1ヶ月前ぐらいを目安にテストすると何か問題があっても対応ができると思います。
あと、新しいものをレースでぶっつけ本番で試すのはトラブルの元なので止めたほうがベターです。そういうことをやって失敗したという話は非常に多いですからね。
レースで機材・道具の失敗をしない一番のコツは慣れた道具を使うということです。
バイクのメンテナンス&発送
レース中にバイクのメカトラブルが起こると非常に困ります。それを防ぐためにも、2〜3週間前にバイクをメンテナンスしましょう。部品の交換が必要になってもこれぐらい期間があれば大抵は何とかなります。
自分でできる自信が無ければショップにお願いすると確実です。
バイクを発送する場合、国内なら1週間〜10日ぐらい前に発送しておけばよっぽど大丈夫だと思います。発送するとバイクの練習ができなくなるので、そのことを考慮して練習計画は立てておきましょう。
ウェットスーツや工具、フロアポンプなど送っても問題ない道具類も一緒に入れておくと移動の時に荷物が減るので楽になります。
荷造り
チェックリストの活用がオススメ
車で移動の場合は荷物の量はあまり気にしなくても良いですが、電車や飛行機の場合は慎重に選ばないと移動が大変になります。
必要なものの取捨選択やうっかり忘れを防ぐためには、チェックリストを作っておくと便利です。
私はいつも自作のチェックリストを使っていますが、それを「トライアスロン持ち物チェックリスト」で公開しています。是非ダウンロード&アレンジして使ってください。
持っていく装備は天候やゴール時刻も考慮して!
レース前後の天気予報はよく確認しておきましょう。涼しい時期や雨が予想される場合はウィンドブレーカーやアームウォーマーような防寒・防雨グッズを用意します。
ずぶ濡れの状態で長時間バイクに乗ったり、ロングで最後のランパートが夜になってしまうと、低体温症になるリスクがありますからね。暑いのもキツイですが寒いのも同じぐらいキツイです。
8.大会会場への移動&受付と前日の過ごし方
移動時の注意
多くの大会は前日の午後から受付というケースが多いです。その場合よほど近所でない限り前日の午前中に移動することになります。
長時間の移動はどうしても疲れるので、車ならマメに休憩を取って歩く、電車ならエレベーターやエスカレーターを積極的に使うというようにできるだけ疲れを溜めないように意識しましょう。
まずはバイクのチェック
現地に着いたら一番最初にやりたいことはバイクのチェックです。配送・輪行・自家用車どのケースでもまずはバイクを組み立てて問題ないことを確認しましょう。
もちろん状況によってはすぐにできないかも知れませんが可能な限り早くやることをおすすめします。
その理由は、輸送時に破損していたり忘れた部品があった場合、気づくのが早ければ早いほど対策を打てる可能性が高くなるからです。
多くの大会ではメカニックとしてバイクショップがブースを出しているので、もしトラブルがあったらそこで相談しましょう。
バイクの組み立てにかかる時間も見越して移動スケジュールを計画しておくと余裕を持って行動できます。
大会受付&説明会に参加
次は受付です。車検を実施する大会ではヘルメットの確認もあるので持っていくのを忘れずに。受付の前に車検を済ませなければならない大会が多いです。
受付会場周辺にはたくさんの選手が集まってくるので、「いよいよだな」と自然と気持ちが高まってくると思いますよ。
ちなみに車検ではハンドル周りの緩みやヘルメットの状態を担当の方がチェックしてくれます。
受付では事前に送付されているIDカードを見せたり、名前やレースナンバーを確認してゼッケンやスイムキャップ、パンフレットなどをもらいます。中身に不足品はないか必ずチェックしましょう。
受付が終わるとその後に選手説明会が開催されます。選手説明会ではレース中の注意事項の説明があるので必ず参加しましょう。義務づけられていることが普通です。ここで疑問点があれば質問して解消しておきます。
説明会の後は開会式&前夜祭(カーボパーティーと呼ばれる)をやる大会もあれば何もない大会もあります。カーボパーティに参加する場合は食べ過ぎないように注意しましょうね。
コースの下見
時間が許せばコースを下見しておきたいです。とはいえ実際にコースを全部回るのは現実的ではないので、疲れない範囲でやりましょう。車で回るだけでもよいです。
特にスタート地点周辺は一度は足を運び、会場のレイアウトや宿からの距離などを確認しておくと大会当日の朝に慌てなくてよいです。
前日の食事
多くの場合、宿で美味しい食事が出されると思います。ここは遠慮無く食べましょう。
ただし、満腹になるまで食べることは避けた方がよいです。ご飯のおかわりが自由なことも多いですがここは自制です。
お酒は生理学的には飲まない方がベターです。飲んだとしても酔わない程度にしておきましょう。
「優勝するような選手が前日どんな食事してるんだろう」
と興味があったのですが、旅館の食事を普通に食べてビールも飲んでました。
その人曰く「いつも通りが一番」だそうです。確かに。如何にいつも通り過ごしていつも通り力を発揮できるかが大切ですね。
翌日の準備
レース当日の朝は何かと忙しく時間に追われることが多いので、準備できるものは全て前日の夜に準備して朝は着るだけ・運ぶだけという状態にしておきます。
ドリンク類も前日の夜から作っておく選手もいます。私は当日の朝に水を入れるだけでOKの状態にして朝につくっています。
朝は時間が少なく緊張もしているので、行動スケジュール(朝食や宿を出る時間、ウォーミングアップの時間など)をあらかじめ書き出しておくと失敗しにくくなります。行動予定表のようなものを作っておくと便利ですよ。
9.大会当日
起床〜最終受付
朝食をスタート3時間前には済ませておきたいので、それに合わせて起床時間を決めます。3時間ぐらいあれば消化ができ、血糖値も安定した状態を保てます。
逆にスタート直前にたくさん食べることがないようにしましょう。空腹の方が人は動けます。
では準備ができたら必要な荷物をまとめて最終受付に向かいましょう。
最終受付ではボディナンバーの記入と計測用のアンクルバンド(足首にマジックテープで巻く太めのバンド)をもらいます。特に理由が無ければ早めに受付を済ませておきましょう。
あと、多くの大会ではゴール後に受け取る手荷物を預かってくれるので、着替えなどをまとめて預けることができます。
ボディナンバーというのは腕や足に書くゼッケン番号のことで、トライアスロンの象徴的なものの一つです。昔はどの大会でもボランティアの方がマジックで書いてくれていました。
しかし最近はシールタイプのナンバーを自分で貼る大会も増えてきています。
シールタイプの方がキレイでカッコイイですが、個人的には受付でボディナンバーを記入してもらった方が「いよいよ始まるのかぁ」という気持ちになりますね。
トランジットエリアのセッティング
受付後、トランジットエリアに移動してバイクラックにバイクをセット、トランジットの準備をします。
スイムからバイク、バイクからランへスムーズに移行できるようにヘルメットやサングラス、バイクシューズ、ランシューズをセッティングしていきます。
この時のポイントは間違えにくい方向や順番に配置すること。実際にやると分かりますがトランジットでは疲労や焦りで思わぬミスをすることがあります。そうならないためにもセッティングはとても大切です。
また、トランジットエリア内の自分のバイクの場所もしっかり頭に入れましょう。そうしないとレース中にトランジットエリアを彷徨うことになります。頭の中で何度もトランジットでの動きをシミュレーションしておくとよいです。あと、不明点があればマーシャルの方に遠慮なく聞いて疑問点を無くしてお苦事も大切です。
トランジットの準備ができたらワセリンや日焼け止め、ゴーグルの曇り止めなど塗るモノ系を済ませてからウェットスーツを着てスイム会場へ向かいます。このときビニール手袋を使うと手がべとべとにならず幸せです。
もう一つ、もしゼッケンベルトを使う場合は下の写真のようにゼッケンベルトを着けてその上にウェットスーツを着ましょう。スイムでは付けずに、トランジットで付ける方が結構いますが、付け忘れる可能性があります。
スイムのウォーミングアップと位置取り
普通はスイムのウォーミングアップ時間が設けられています。
ゴーグルやウェットスーツのチェック、スイムコースの確認も兼ねますから、極端に寒くない限りは泳ぎましょう。
泳ぎながら目標物(ブイだけでなく浜辺の建物や島など)も決めておくのが理想です。
ウォーミングアップが終わると入水チェックといってタイム計測マットの上を通ってスタート会場に入ります。ここを通るともう外には出られないので注意してください。
スタート前最後にやることはスタートの位置取りです。
大抵は折り返すブイがあるので、そのブイとできるだけ直線距離が短くなる位置に陣取るのが理想です。
あと自分のスイムの実力に見合った位置からスタートしましょう。スイムに自信が無い方は後方からのスタートを強く勧めます。
スタート場所が決まったら、あとはスタートのホーンが鳴るのを待つのみです。ここが一番緊張する瞬間ですが気持ちを落ち着かせて待ちましょう。
スイムはマイペースで無理をしない
フォーンが鳴ったら、さぁスタートです!ここから長い戦いが始まります。
ちなみにスイムスタートは浜辺から走って入水するビーチスタートと、足が付かない水上に待機してスタートするフローティングスタートに分けられます。
あと、エリートレースのみですが飛び込みスタートもあります。
どのスタート方式にせよ、スタート直後は渋滞します。水泳に自信が無い場合は後方からのんびりスタートしてください。
間違っても先頭からスタートしないように。
後から速い人達が覆い被さるように迫ってくるので呼吸もままならずパニックになる可能性があります。
完走目的なら人が少なめの場所をマイペースで泳ぎましょう。またこまめに前方を見て目標を常に確認し、遠回りしないことも大切です。
疲れたらブイに捕まって休んでもOK。ただし、ブイを掴んで進むのはルール違反なので注意してください。
慌てずバイクへ
スイムから上がるとトランジットエリアまで走って向かいます。
ここでさらっと「走って向かう」と書きましたが、水泳からランニングの切り替えはかなりキツイです。タイムを気にしないなら歩いて無駄な体力を使わない方がよいかもしれません。
移動しながらウェットスーツを脱げるところまで脱ぎ、それからスイムキャップとゴーグルを外します。この順番を逆にすると手がふさがってウェットスーツが脱げませんから注意してください。
トランジットエリアに入ったら自分の場所までいき、ウェットスーツを脱ぎます。このとき足首がなかなか脱げないことがありますが、無理するとふくらはぎをつることもあるので落ち着いてゆっくりやりましょう。
場合のよっては座って脱いだほうがよいかもしれません。
その後、サングラス→ヘルメット→シューズの順に着用してバイクをバイクラックから外します。ヘルメットを着用せずにバイクラックからバイクを外すのはルール違反です。
用意ができたらバイク乗車位置までバイクを押していってバイクスタートです。
バイクは補給とペース配分に気をつける
バイクは一番時間が長いですからペース配分が特に重要です。周りに付いていきたい気持ちをグッと抑えてマイペースを心がけましょう。先は長いですからね。
ここで感覚に頼るとオーバーペースになってしまう率が非常に高いので気をつけてください。このときに心拍計やパワーメーターがあると客観的にペースを管理できて便利です。
あと、補給(特に水分)を一番摂りやすいのもバイクパートですが、一生懸命頑張っていると補給することを忘れがちです。「20分毎に飲む」というようにあらかじめ飲むタイミング決めておくとよいです。一定時間毎にアラームが鳴るように設定しておくのも手です。
それからドラフティングしないように気をつけましょう。トライアスロンは自分一人の力で完走してこそ価値があります。
最後に一踏ん張りのラン
バイクが終わるといよいよランニングです。ここまでくれば完走まであと僅か。トランジションではバイクラックにバイクを置いてからヘルメットをとってください。
そして落ち着いてシューズを履きランへと移ります。
バイクからランに移った直後は、足が重い独特の感覚になりますが、しばらく走っていると慣れてきますから慌てずマイペースを心がけます。
また、しんどいときはエイドステーションで立ち止まって一休みしましょう。ほんの数10秒でも立ち止まったり、歩いたりすると体は結構回復します。
休み休み走ることは恥ずかしいことでも何でもありません。ゴールに向かって進んで行くことが重要です。アイアンマンのルールでは這ってもOKと書いてあるぐらいですからね(笑)
フィニッシュ!
フィニッシュ最後の直線では多くの人が応援してくれます。その中を走るとこれまでの苦労がすべて吹き飛ぶような気持ちになりますよ。
同伴ゴールがOKの大会なら子供や奥さん、恋人、チームメイトと一緒にゴールすることもできます。ゴールテープを切った瞬間の達成感は何物にも代え難いものになることは間違いありません。
10.ゴール後にやること
ゴール直後
ゴールすると、まずはアンクルバンドを外してボランティアの人に渡します。大会によってはバスタオルをくれたりメダルをくれたりします。
ゴールエリアにはドリンクや食べ物が用意されているのでよほど気分が悪くない限りは補給ましょう。特にゴール後は必ず脱水気味になっているので水分補給は必須です。内臓が落ち着いてきたら食べ物も食べてエネルギーをしっかり補充しましょう。ゴールにシャワーがあれば浴びて体を冷やすのもよいでしょう。
それと急に運動をやめると心臓や筋肉への負担が大きくなります。ゴール後しばらくはゆっくり歩いて体を徐々に安静モードに切り替えて行く方が後の回復によい影響を与えます。
その後、預けていた荷物を取りに行き着替えたり、バイクをトランジションエリアに取りに行き分解して車に積んだり梱包したりといった作業をします。レース後でしんどいと思いますが片付けまでやってレース終了です。頑張りましょう。
レース後のケア
トライアスロンの筋肉的な疲労はショート〜ミドルなら数日、ロングでも1週間ぐらいで回復します。ただし、内臓的な疲労はもう少し時間がかかり、血液検査の結果が正常になるのにはショートで1週間、ロングなら2〜3週間近くかかります。
ですので1〜2週間は練習は控えめ、睡眠時間多めを心がけましょう。食事も開放感でたくさん食べたいと思いますが胃腸に負担を掛けすぎないように気をつけてください。
あと、全く動かないよりも軽く運動した方が回復が促されるので、痛みがない限りは完全休養せずジョギングやゆっくり泳ぐといったことをしましょう。
このレース後1〜2週間のケアをいい加減にすると疲労が蓄積されケガや燃え尽き症候群の原因になります。休養もトレーニングのうちなのでメリハリをつけて次の大会に備えましょう。
まとめ
いかがでしたか?
大会によって細かな違いがありますがトライアスロンデビューまでの流れは概ねこんな感じになります。
各パート毎に細かい注意点やポイントはあるのですが、これぐらい押さえておけば大きな失敗なく完走できると思います。あとはコツコツ練習するのみです。ゴールを目指して頑張って下さい!
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